« July 2017 | Main | September 2017 »

August 08, 2017

滋賀県日野町

P8080331

滋賀県日野町には,地質鉱物関係の天然記念物が3箇所もあります.いずれも第二次世界大戦中の1942年~1944年の間に指定されていて,この地域の岩石鉱物を調べて重要性を主張した学者がいたものと思われます.

その一つが別所の高師小僧です.高師小僧は,沼地などの水辺の葦などの茎の周りに,褐鉄鉱が析出して固まりを作るものです.古代には製鉄原料であったとする説もあります.天然記念物に指定された場所は,現在は水田になっていて,高師小僧自体は近くの公民館に保管されているとのことです.別所の踏み切りをわたってすぐ右折して,田んぼの畦道を進むと天然記念物の石碑が残っています.






P8080342

鎌掛(かいがけ)の屏風岩は,正法寺というお寺の北側の小さい沢沿いにあります.京都東山の地質天然記念物も正法寺境内でしたが,宗派が違うので偶然のようです.丹波帯のチャートと珪質泥岩が数cm単位で互い違いに重なった硬い地層でできていて,地層面が平らに残りやすいので,屏風のように見えたのでしょう.層状の模様が珍重されて,江戸時代に石材として切り出されていたという説明分がついています.
















P8080344

鈴鹿連峰の綿向山(1110m)は古くから山岳信仰の対象の山で,その南西麓の「接触変質地帯」が天然記念物に指定されています.「接触変質地帯」は現在の用語では,接触変成岩もしくはスカルン帯と呼ばれていて,花こう岩が貫入してきた際に放出された熱水が堆積岩と反応して,ざくろ石やベスブ石などの特徴的な組み合わせに変化したものです.スカルンとはスウェーデンの鉱夫の言葉で「かっちんかっちんだ」という意味だそうです.訪問したのが台風通過の翌日だったので,残念ながら登山道が閉じられていて,直接観察することができませんでした.


| | Comments (0) | TrackBack (0)

滋賀県石山寺

20626757_1670401136305865_208674471

滋賀県石山寺は,天然記念物の上に建っているお寺です.この岩は,ジュラ紀丹波帯の石灰岩が白亜紀末に活動した花こう岩の熱によって変成岩に変わったもので,石灰岩のうちやや不純物が多い部分に珪灰石(CaSiO3)の結晶ができています.







20643238_1670402679639044_691970895

天然記念物の部分は柵で囲われていて触ることができませんが,柵の手前の小さな岩(上の画像の青矢印の部分)に放射状の針状結晶の集合体が観察できます.


| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 04, 2017

和歌県白浜

P8040108


白浜の海岸は,熊野層群とほぼ同じ約1500万年前の田辺層群という地層でできています.田辺層群は,海溝にかきよせられた付加体堆積物の上に積もった浅い海の地層で,波による漣痕や,海水の流れによってできる葉理などの地層中のつくり(堆積構造)をたくさん観察できます.白浜江津良浜の化石漣岩もその一つで,国の天然記念物の指定されていますが,残念ながら現在は石碑だけで蓮痕はほとんど残っていません.場所は海水浴場入り口の看板からみて西側の砂浜の外れにあります.







P8040140_4

白浜のもう一つの天然記念物が,権現崎の泥岩岩脈です.天然記念物の石碑は,御船の足湯の脇にあり,そこから東側へ少しいったところに何条かの泥岩脈があります.画像の青の矢印の間が泥でできた岩脈です.これは田辺層群の地層が高まる前に,地震などの際に液状化現象がおきて,地層のわれめに沿って泥が噴出した後です.火山噴火とは違うしくみで,地層を切る岩ができるのです.よく見ると,泥岩脈の中には,まわりの地層が小石になって取り込まれているのが分かります.


| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 03, 2017

和歌山串本

P8030045

和歌山県串本市までやってきました.朝7時に東京を出て,串本着は14時30分でした.遠い.天気が良ければ古座の岩脈群(一枚岩と虫喰岩)も撮影する予定でしたが,あいにくの雨.徒歩でゆける橋杭岩だけの撮影になりました.橋杭岩は,約1500万年前の熊野けい長質火山活動に関連した岩脈で,まわりの熊野層群の地層よりも硬くて風化に強いので,波でけずられにくく突出しています.岩脈自体は石英斑岩という火成岩でできています.






P8030079_2

岩脈は地層を切って,ほぼ南北につながっていることが分かります.


| | Comments (0) | TrackBack (0)

« July 2017 | Main | September 2017 »